最後のカギは「頭脳」だ。〝鉄人〟小橋建太(55)が〝大鵬3世〟納谷幸男(28)に熱いアドバイスを送った。
シングルリーグ戦「D王 GRAND PRIX 2022」の実行委員長を務め、4日の優勝決定戦を東京・後楽園ホールで生観戦。その視線が捉えたのは、上野勇希に敗れて初優勝を逃した納谷の成長だった。
下馬評を覆す準Vで覚醒を予感させた未完の大器について「力もだけど、特にスタミナがすばらしかった。上野選手の速い動きについていって、最後まで動きが落ちていなかったから。体が大きい選手はスタミナが課題になるんだけど、その部分をクリアしていた。しっかり練習しているんだと思う」。201センチ、110キロの巨体ながら終盤まで体力を維持できたことを高く評価した。
祖父が昭和の大横綱・大鵬で、父が元関脇貴闘力、弟は幕内王鵬という角界のサラブレッド。さらなる覚醒に必要なものを問われると「研究だね。〝プロレス脳〟を養うこと。過去の選手の試合を見るのもそうだし、自分の試合を見直すのもいい。例えば、決勝の中で少し手を加えれば、オリジナル技になりそうな動きもあった。そういうものを研究してつくってもいい時期にきているかもしれない」と力説した。
自身もアルゼンチン式背骨折りで担いでから頭部をマットに叩きつける「バーニングハンマー」が、大一番専用の必殺技として猛威を振るった。そうした代名詞的な技の開発を促した上で「決勝では少し感情も表に出ていたけど、もっと出していい。悔しさや怒りを出すことでお客さんたちも感情移入ができるから」と助言。
鉄人も期待を寄せる、未完の大器の今後に注目だ。