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探せ、半導体企業
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ヤマハ発動機“第三の成長のエンジン”は「半導体」。生成AI需要で生産力4倍、構造改革加速で30年代に1000億円目指す

首藤みさき[ライター]編集:三ツ村崇志

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ヤマハロボティクスの中村亮介社長。オフィスの入口にはヤマハ発動機のロゴや、バイクの模型も。
ヤマハロボティクスの中村亮介社長。オフィスの入口にはヤマハ発動機のロゴや、バイクの模型も。
撮影:三ツ村

二輪車やマリン製品など、「乗り物(モビリティ)」の製造で知られる、売上高約2兆6000億円の大企業ヤマハ発動機グループ。そんなヤマハ発動機グループの中に、半導体産業にまつわる、ある装置の製造で急成長を目論む企業がある。

もともとヤマハ発動機のグループ会社だった新川やアピックヤマダら関連企業が統合して、この7月に誕生した「ヤマハロボティクス」だ。

同社では、シリコンウエハから切り出した半導体チップを製品として加工する「後工程」と呼ばれるプロセスで、半導体チップと基板の接続(ボンディング)をしたり、樹脂で封止(モールディング)したりする装置の製造・開発を担う。業界シェアは、世界でもトップクラスだという。

ヤマハロボティクスは、ヤマハ発動機の傘下にあったヤマハロボティクスHD、新川、アピックヤマダ、PFAの4社がこの7月に統合して誕生した。
ヤマハロボティクスは、ヤマハ発動機の傘下にあったヤマハロボティクスHD、新川、アピックヤマダ、PFAの4社がこの7月に統合して誕生した。
画像:ヤマハロボティクス「SEMI事業(半導体後工程製造装置)説明会」資料より

統合前の2024年度の売上高は合計で344億円。生成AIによる需要の急拡大により、グループではここ2年で製造能力を4倍に増強しており、2027年までに売上高500億円、2030年代初めに1000億円を目指している。

「モビリティのヤマハ」が、半導体事業へ進出した経緯や、事業統合の背景。そして、今後の戦略を、ヤマハロボティクスの中村亮介社長に聞いた。

半導体事業は「第三の柱」

ヤマハ発動機グループ全体の売上高におけるロボティクス事業の割合(左上)と、ロボティクス事業内の半導体後工程(SEMI)事業の収益割合(左下)。
ヤマハ発動機グループ全体の売上高におけるロボティクス事業の割合(左上)と、ロボティクス事業内の半導体後工程(SEMI)事業の収益割合(左下)。
画像:ヤマハロボティクス「SEMI事業(半導体後工程製造装置)説明会」資料より引用

ヤマハ発動機グループでは、ヤマハロボティクスの半導体後工程(SEMI)事業と、ヤマハ発動機のロボティクス事業部が担う表面実装装置(SMT)や産業用ロボット事業を併せて、「ロボティクス事業」と位置付ける。

ロボティクス事業の収益は、ヤマハ発動機全体の収益2兆5762億円(2024年12月期)のうち約4%の1133億円程度にすぎない。ただ、中期経営計画における2025~2027年までの成長率の目標は、ロボティクス事業が15%と各事業の中で最も高く、中でも半導体後工程事業の成長率は18%と特に期待されている。

中村社長も

ランドモビリティ、マリンに次ぐ3番目のビジネスの柱とされ、ヤマハ発動機全体における成長産業として期待されている」

と説明する。

「ものを置く」技術磨いて半導体製造装置へ

ロボティクス事業の源流は1984年。ヤマハ発動機の祖業でもある、モーターサイクル事業で培われた自動車エンジンを製造するための産業用ロボットの外販から始まった。

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